湘南おでんの歴史を今に伝える、辻堂東海岸の老舗「ひげでん姉妹店」

皆さんは湘南おでんの歴史をご存知でしょうか?

かつて江ノ島周辺には、200軒といわれる屋台が軒を連ねていたそうです。

中でも海産物の練り物が売りのおでん屋台は大変なにぎわいだったそうで、湘南おでんと呼ばれ親しまれました。

おでん屋台から始まり、今や地元で有名な料理店となった「ひげでん」。今回はかつて有った長屋造りの面影を今も残す、「ひげでん姉妹店」にお伺いします。

海岸通り沿いにおでんセンター誕生

1964年の東京オリンピックでヨットレースが江の島で開催された際、景観を守る名目で移転し、海岸通り沿いにおでんセンターが生まれました。

現在サーファー通りと呼ばれる一帯には16軒ものおでん屋さんが集められ、しのぎを削りました。

戦後初代店主が江の島ロータリーでおでん屋台を始め、親子三代に渡り秘伝の味を守り続けるひげでんは、湘南おでんの歴史を紡ぐ老舗。湘南の著名人も多く通う名店です。

辻堂駅から海岸線(国道136号)に突き当たるサーファー通り沿いには、ひげでん本店と姉妹店が仲良く並んでいます。

通りの向こうは辻堂海浜公園のプールがすぐ近くで、この辺りは子供の頃から遊び場でした。

海岸通り沿いに飲食店が軒を連ねる長屋の面影は幼い頃の記憶にしっかり残っていますが、時代の経過と共にずいぶん変わりました。
※2014年の火災でおでんセンター内3軒が焼失して、一帯は様変わりしています。

おでんセンターの看板を守るひげでんの伝統

私はアットホームな親しみに包まれ、こじんまり美食と美酒が堪能できるひげでん姉妹店の雰囲気が気に入っています。

ちなみに親族経営のひげでん本店は一軒家で座敷が有るので、お忍びで訪れる芸能人も多いのだとか……。

おでんセンターにあるひげでん2軒は、共に近隣住民から湘南著名人まで愛され、60年以上の伝統を重ねた我が街を代表する老舗ブランドといえます。

自家製おでんは出汁の旨味が染み込んだすっきり味

カウンターと向かい合う厨房のおでん鍋を覗き込むと、大根、焼き豆腐にがんもどきなど沢山の具材がおいしそうに湯気を立てています。

注文に迷います。ラインナップを決めるため一息つくことにしました。

お通しは、具沢山の和え物。
こちらは日本酒がとても合いそうなので辛口のお燗を注文します。

ひと口で身体が温まり、注文のスイッチが入ります。

新鮮な地魚の刺身と炙りを堪能

まず、おすすめのイカのお刺身とお漬物です。

イカはほんのり甘く透き通るように鮮度が良くて、少し小ぶりだったからと添えてくれたタコも美味。お刺身のツマにまで細かな気配りがされていて職人魂を感じます。

キュウリの漬物は、みずみずしくコリコリした歯ごたえで箸が進みます。

イワシの炙りは焼き加減が抜群。頭からかぶりつくと、香ばしさと脂ののった旨みが口いっぱいに広がり大満足!

焼きアジや焼きハマグリを食べたくなる気持ちを何とか抑えて、絶対外せないおでんをいよいよ注文します。

創業以来受け継がれる出汁は、柔らかな塩味と鶏ガラと昆布の旨みが染み込み、すっきり透き通った秘伝の味。

ばくだん(うずらの卵のおでん)と巾着(お餅包み)に、染み染みのはんぺん、がんもを頬張ると、優しく広がる出汁の味にホッコリします。

おでんが冷めないように、タイミングよく二皿目がサッとテーブルに並びます。

大根、焼き豆腐、じゃがいもは練り辛子をつけていただき、シメに透き通った旨味たっぷりの出汁を飲み干すとお腹いっぱいです。

今回食べられなかったメニューも多く、次はロールキャベツとサザエのつぼ焼き、アジの活け造りを注文しようと心に誓いました。

実は、鮭としらすのおにぎりも狙っていたのですが、次回の楽しみに取っておきます。

サッと出された熱いお茶をほのぼのいただきながら満腹の余韻に浸ります。現役で店に立つ二代目親父さんの何気ない気配りが温かくて、たいへん楽しい時間が過ごせました。

皆さんも、食の楽しみいっぱいのひげでん姉妹店に、ぜひ足を運んでみてくださいね。

ひげでん姉妹店
住所:神奈川県藤沢市辻堂東海岸4丁目2-18
アクセス:小田急江ノ島線「鵠沼海岸」から徒歩約27分
     JR東海道線「辻堂駅」から徒歩約29分
TEL:0466-36-3751
営業時間:16:00-21:00
定休日:木曜日
駐車場:なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。