藤沢駅近の喫茶店「salon de TIFFANY」で心和むひとときを

「モンブランが食べたいね」と子どもと話していた平日の午後。

藤沢駅近くで食べられるお店をGoogleで探してみると、「salon de TIFFANY」という落ち着いた喫茶店を発見しました。写真に映るモンブランに惹かれ、親子で行ってみることに。

今回は、その喫茶店で過ごした心和むひとときをご紹介します。

藤沢駅南口ファミリー通りの京町家ガーデン2階

藤沢駅南口を出て、徒歩約3分。通り沿いにあるモノトーンの和風シックなこちらの建物は、複合商業施設・京町家ガーデンです。

今回訪れた喫茶店salon de TIFFANYは、この2階にあります。

2020年にオープンした施設で、グレーを基調とした建物に温かみのある間接照明がオシャレ。

建物前には営業中の立て看板が出ています。

右奥の階段を上がり、2階へ。

通りに面したオープンなカフェとは違い、扉を開けて入るスタイルの喫茶店です。

落ち着いた店内の様子が想像できて「小学生連れでも大丈夫かな……」と少しそわそわ。しかしドアを開けた瞬間、その不安はすぐに消えました。

お店の方がにこやかに迎えてください、やわらかい空気がふわっと広がります。

まるで友達のお母さんが「あら、いらっしゃい」と迎え入れてくれるような、そんなあたたかいひとときの始まりでした。

赤いカーペットとクラシカルな装飾の喫茶空間

一面に大きく取られた窓から明るく日が入り、清潔感がある店内。

足を踏み入れると、まず目に入るのは落ち着いた赤のカーペット。
テーブル席には同じトーンの赤いソファーが並び、空間全体がどこか懐かしく温かみのある印象です。
アンティーク調の照明がふんわりと店内を照らし、ダークブラウンを基調とした内装と合わさって、穏やかな大人の空気が漂っていました。

座り心地のいい籐の椅子は、マスターがこだわり抜いて選んだものだそうで、ほどよい弾力が体を優しく受け止めてくれます。

カウンター奥の棚には上質なカップ&ソーサーがずらりと並び、思わず眼鏡を取り出しじっくり眺めたくなるほど。
昭和の香りに包まれながら、ほっとできる時間が流れているように感じられます。

落ち着いた年代のお客さんが多い一方で、若い女性客の姿もあり、店内はほとんどの席が埋まっていました。
ゆったりと本を読んだり、おだやかに会話したり、思い思いに過ごす姿が印象的。

カウンター席を見ると、常連さんと思わしきお客さんとマスターが自然に言葉を交わしています。

そんな中での小学生連れは少しめずらしいようでしたが、お店の方はとても親切でした。

子どもが食べたがっていたモンブランが黒板に書かれているのを見つけ、思わず小さくガッツポーズ。その様子を見たスタッフさんがふっと笑ってくれて、こちらも思わず笑顔に。
お店の人のあたたかさが伝わってくるようでした。

昭和を感じる喫茶メニュー紹介

メニューを開くと、まず目に入るのが珈琲メニュー。

オリジナル珈琲には、逗子の名店・大澤珈琲店の大澤ブレンドを使用していると書かれていて、そのこだわりに思わず惹かれます。

珈琲メニューにはそれぞれ説明が添えられていて、初心者にも珈琲好きにもうれしい内容。

紅茶やジュースなどもそろっていて、子どもやカフェインを控えている方にも安心です。

デザートは、喫茶店らしいプリンアラモードや珈琲ゼリーに加えて、マスター特製の天使のプリンも。

今回のお目当てであるケーキは全て自家製。黒板の本日のケーキから選ぶスタイルです。

フードメニューにはスパゲッティやトーストもあり、食事をしたいときにも利用できます。

また18時頃からは照明を少し落とし、昭和歌謡曲が流れるバーとして営業しているため、お酒も楽しめるとのこと。

昼と夜でまったく違う表情を見せるお店のようです。

モンブランとレモンパイ。優しい甘さのケーキを味わう

子どもは迷うことなくモンブラン。私は「黒板に書いてないけれど、レモンパイあります」というお店の方の一言で、レモンパイを注文。

3~4分ほどで、まずはケーキが登場。思わず感嘆が漏れる瞬間です。

すぐにドリンクも到着。グレープジュースと、紅茶はプリンスオブウェールズです。

丁寧にデコレーションされたケーキの美しさに、思わずうっとりしてしまいます。

そして、写真でお気づきの方もいるかもしれませんが……食器にもご注目。

青い模様が入ったカップ&ソーサーとケーキ皿は、デンマーク王室御用達の高級陶磁器ブランド、ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドです。

中でもレースの縁取りが手作業でカットされた、繊細で特別感のある高級ラインです。

手前のレモンパイが載っているお皿は、こちらも英国王室御用達ブランド、ウェッジウッドのユーランダーパウダールビー。豪華な金彩のデザインが優雅です。

テーブルに並んだ食器だけでも、合計10万円を越えてしまうであろうラインナップ。

食器好きとしては胸が高鳴ると同時に、自然と背筋が伸びるような気持ちになります。

いよいよ、ケーキの実食へ。

子どもが選んだモンブランは、しっかりと栗の香りがありながら、甘さ控えめで軽やかに食べ進められる味わい。

美しく絞られたマロンクリームはなめらかで、中には土台のスポンジと生クリームがたっぷりと入っています。トップに添えられた渋皮煮にはさりげなく金箔があしらわれていました。

珈琲や紅茶に合いそうだと思いましたが、子どもは「グレープジュースととっても合うよ」と言っていました。

私が選んだレモンパイは、ふわっと軽いメレンゲときゅっと爽やかなレモンの酸味が絶妙。

サクッと軽いパイ生地と香り豊かなレモンクリームは、紅茶との相性もぴったりです。

ふたりで「これおいしいね」と言いながらケーキを分け合う時間は、ただのティータイムではなく、小さな幸せがじんわり広がるようなひとときでした。

席の隣には4人組の常連さんが座っていて、子どもの様子を見て「何年生なの?」と声をかけてくれました。

そこへ運ばれてきたナポリタンを見て、子どもが「わぁおいしそう……」とつぶやくと、「おいしいのよ。何度食べても飽きないわ。またぜひいらっしゃいな」と笑顔ですすめてくれて、ほっと心が温まりました。

お店の名前にあるサロンという言葉の通り、こうした何気ない自然な交流が、街の喫茶文化の魅力なのかもしれないと感じる瞬間でした。

クラシカルな雰囲気、優しい甘さのケーキ、気さくな常連さんとの交流。

大人がゆったりと過ごせるだけでなく、子ども連れにもあたたかく手を差し伸べてくれる空気があり、訪れた時間そのものが思い出になりました。

次回はぜひ、こだわりの珈琲とナポリタンを楽しみに訪れたいと思います。

居心地のよい落ち着いた空間で、ちょっと優雅にひと息つきたいとき。
心なごむ喫茶店、salon de TIFFANYでステキな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

salon de TIFFANY(サロン・ド・ティファニー)
住所:神奈川県藤沢市鵠沼石上1-2-5 京町家ガーデン2F C
アクセス:JR東海道線、小田急江ノ島線、江ノ島電鉄線「藤沢駅」から徒歩約3分
TEL:0466-86-5250
営業時間:12:00-22:00(夜は昭和歌謡曲バーとして営業)
定休日:日曜・祝日
駐車場:無し

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。